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かる毘庵

テコンドー指導員・坪井の諸愚考を不定期に連載していきたいと思います。
2024
03,29

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2008
10,30
それは地元の人だけで行われる大会で規模としても小さいものでした。
 
僕が出ている階級はその体重制限からか只でさえ人数が少ないのですが、地元の人だけとあって更に人数も少なくエントリーも3、4人だったと思います。
そこで同じ階級の出場する選手を見て、ふと気付いたのです。自分の帯が一番上であるという事に。そこで初めてこう思ったのです。

「絶対に負けられない」と。
 
その大会の試合は本当に必死でした。格好悪いくらい必死でした。何が何でも勝ってやるという気持ちで一杯だったのです。
しかし我武者羅にやった結果か、大会で初めて優勝する事が出来ました。
 
そして試合の後こう思ったのです。
続けていれば続けているだけのものが手に入るのだと。時間は取り分を持って行くものです。しかし時間をかけた分の見返りも置いていってくれます。
 
その大会は小さな大会でしたが、そこで僕は小さな自信というものを身に付ける事が出来ました。その大会を機に少しずつ試合でも勝てるようになっていき、その小さな自信も少しずつ大きくなっていきました。
 
そうした中で重要な出来事がありました。
 
帯も上がり、僕は或るクラブの指導をまかされるようになりました。
テコンドーを始めて、自分が誰かを教えるようになるとは全く考えてもいませんでしたし、教えるにしても自分などに付いて来てくれるのかという思いもありました。
それでも何故引き受けたのか。
師範が怖くて打診され……(^^;)何故でしょう、今でもよく分かりません。
 
そのクラブの方達は全員級は下ではありますが、年上の方ばかりでした。
しかしそんな事は億尾にも出さず、皆さん年下の僕に付いて来てくれました。
とても面白い良い方ばかりで、僕はそのクラブの練習に行くのがとても楽しみでした。

そうした中で僕はみんなに出来る事は何だろうと考えるようになりました。
その答えが、もっと強くなるという事でした。大会などで入賞すれば少しなりとも強い人間に習っている事になりますから。
 
今までは自分の為に強くなろうと思っていましたが、その頃から自分の為だけでなく他の誰かの為にも強くなろうと思い始めました。組手の練習も以前と比べれば、意識の持ちようが変わっていきました。
 
『 vol.3へ 』

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2008
10,23
 
思想の価値は勇気の量で決まる
                                            
                                      ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
 
 
試合の日が迫って来ました。
僕も選手の一人としてエントリーしています。(成立するといいのですが^^;)
 
試合は現在の自分の位置を確認するための絶好の場だと思っています。
試合に出るか迷っている方もおられるようです。型に関しては痛みは伴いませんが、組手に関してはある程度の勇気も必要になってきます。
 
今回は僕の昔話をしたいと思います。
 
今でこそ組手が大好きな僕ですが、最初からそうだった訳ではありません。
嫌いだったと言っても過言ではないと思います。
 
組手の試合デビューは黄帯の頃でした。
練習の中でも当てない形式の組手を2、3回やった程度だったので、近付いては殴られ引いては蹴られ、全く何も出来ずに終わり、息苦しさと口の中に残る微かな鉄の味だけを良く覚えています。
その後の組手の練習もそのうち強くなっていくのだろうと思い、取り敢えずやっていると言った感じでした。
 
元々健康維持のついでに少し強くなれれば良いといった具合で始めたテコンドーだったので、強くなりたいという確たる意思も持ってはいませんでした。
当然試合に出ても1、2回戦で敗退ばかりです。
 
その頃は試合の遠征に東京、神奈川、京都、大阪、広島等々、様々な所へ行きました。宮崎県まで行った事もあります^^;
長時間、夜行列車や車で乗り合わせて行き、痛い思いをして1、2回戦で負けて帰ってくる。とても虚しいものです。
 
充実感や達成感なども無く、いつしか僕は組手をする事が嫌になっていきました。しかし練習に行けば当然組手をしなければなりません。わざと防具を忘れていこうかとも思った程です。そうはしませんでしたが練習への足が遠のいていきました。
 
しかし練習回数が減っても試合には出ていました。
試合に出ても練習回数が減っている訳ですから勝てるはずはありません。取り敢えず出るというだけで、絶対に勝とうという気もなかった気がします。頗る悪循環です。
 
それでも何故試合に出ていたのか。師範が怖くて打診されると断れなかっただけかもしれません…(冗談です^^;)
何か理由をつけて出場しない事も出来ましたが、それは僕の中では敵前逃亡のように感じて嫌だったのです。また一度逃げ出すとその事に慣れてしまうのではないかという危惧もありました。そして何よりあの時出ていれば良かったと思いたくなかったからです。
何れにせよ練習からは逃げ出している訳ですから、何とも矛盾した結果になっています。
 
そうして時間は流れていき、僕は或る大会に出場する事になりました。
                                                  『 vol.2へ 』

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