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かる毘庵

テコンドー指導員・坪井の諸愚考を不定期に連載していきたいと思います。
2024
04,19

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2014
05,06
次なる目的地はかつて国宝だった”千鳥”松江城。
現存12天守閣の一つ。広大な縄張りが残され国宝であった事も頷ける。冷やりとする城内。急峻な階段を上がると沢山の甲冑や備前長船の刀が蔵められていた。”かすがい”を幾重にも打ち込まれた柱は強固な絆の証として縁結びに効果があるとかないとか(・ω<)やはりお城は木造でなくては。
そして最終目的地である出雲大社へ。
宍道湖岸をドライブ。立ち並ぶ風車が旅情に華を添えていた。松江城から1時間程で到着し、大きな石標を前に感慨に至る。

「すいません♪写真撮ってもらえますか?」『いいですよ』旅の笑顔の栞作りを快く引き受ける。
広大な境内。一礼して中に入る。出雲大社と言えばの大きな綱。二礼四拍一礼で今回の旅の目的を果たす。さぁこれから…「すいません♪写真撮ってもらえますか?」『いいですよ♪』快く引き受ける。…どうしようかな。境内をゆっくり散策してまわる。

昼食の時間も過ぎていたが老舗のお蕎麦屋さんを探す事にした。
観光案内所を見つけ、この辺りで一番の老舗の店を聞く。お蕎麦屋さんは古い店ばかりだそうだ。時間も時間なので昼の営業は終わっているかもとの事で幾らかお店を教えて頂いた。観光地図を手に足早にお蕎麦屋さんに向かう。
「すいません♪写真撮ってもらえますか?」『いいですよ♪』快く引き受ける。……何故だ(*´∀`)どうやら頼みやすい雰囲気の持ち主の様だ。
目的の店に到着すると既に営業終了の看板。残念だがすぐ傍にある2,3番目に古い店が開いていた。ざる蕎麦を注文。店内には芸能人の色紙が幾つも飾ってあった。出雲蕎麦に舌鼓を打ち、思い残すことなく帰路に就くことにした。

岐阜までは約6時間30分程、近い距離ではない。慌てずに帰ることにした。
段々と夕焼けから暗闇へと包まれていく。3時間程車を走らせ兵庫県加西のSAで休憩をとることにした。そういえば旧友がここに住んでいたなとイタズラ心もあって電話してみる。SAから近い所に住んでいるらしく降りてきてくださいよとの事だったので無視して通り過ぎる事にした。

……降りましたとも。コンビニで待ち合わせて近くのマクドナルドへ。
近況や今後について諸々を語り合う。日々に追われながらも家族の為に奮闘する姿が歲月の流れを感じさせる。まだ3時間は車を走らせなければならない。別れを告げ再び高速道へ。


ハンドルを握り色濃くなった暗闇の中、車の群れかき分けてただただ走り続ける。
点在する光が線をひいては流れていく、去来するものとまた同じように。

光に包まれた寺社の森厳さを思った。池のほとりで遊ぶ亀の甲羅を思った。漆黒の城を見つめた侍と自分の姿を思った。赤から青へと変わる信号の群れを思った。気さくな大将とその隣にいた女将さんの無愛想な顔を思った。兵の為に命を差し出す侍の覚悟を思った。水平線と青空の境界の彼方を思った。幾重にも重なった鳥の囀りを思った。遠く浮かんだ船の行方の先を思った。苔むした岩にそそがれる絶え間ない水の流れを思った。頭を垂れて手を合わせる人々の姿を思った。写真を撮って下さいとその楽しそうな笑顔を思った。旧友の誇らしげなほほ笑みを思った。見る事のなかった砂の丘の星空を思った。


きっと旅をする事の意味ってこういう思いにあるのだと思う。

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