2012 |
10,20 |
選手生活集大成として臨んだワールドカップ。
結果は願ったものではありませんでした。僕は目標を口に出す事で自分自身に重圧を掛けながら物事を行うタイプです。今回もその様にプレッシャーを掛けながらこの大会に臨みました。いつもならその重圧を楽しみながら生活出来るのですが今回は勝手が違いました。海外に赴くという高揚感も無く食事も余り喉を通らなくなり減量も必要なく、寧ろ食べる様に心掛けていました。
今までにない程練習に明け暮れたとも思います。その点については満足しています。しかし本番においてのメンタル面のコントロールが出来ていないと感じました。
今大会に於いては事務手続きも一手に引き受けていました。
ワールドカップ関連のサイトに頻繁に目を通し、選手登録の他、競技ルール、大会スケジュールの要約、翻訳、或る程度の旅行日程の作成、イギリスでのホテル関係や送迎関係等のメールのやり取り、海外送金の庶務、現地に於いての事務手続き、引率、コーチ、そして選手。多岐に渡りました。
自分の能力を試す機会でもあり、無事に皆を大会に参加させる事が出来た点については胸を張っていいのかなと思っています。今まではそういった苦労を知らなかった訳ですから今まで庶務を行なってくれていた方々に感謝しています。
型に関してはワールドカップ・アメリカ大会参加時には優勝したヨーロッパの選手の型を見た時、絶対に勝てないと思いました。しかし今回は手の届く所にいる様に感じました。何が足りないのかも良く分かりました。足りない所を補って自分の理想、他者から見た理想に近付きたいと思います。
組手に関しては焦燥感ばかりが募り、詰まらない戦いをしたなというのが本音です。冷静に駆け引きしながら戦う。当たり前の事が当たり前に出来なかった、その腹立たしさは終わった今だからこそ言える事です。まだまだ未熟だったんだと痛切に感じています。この大会に参加して一皮むけたと言われる様な成長をしたい、しなければならないと思います。
暁闇の水平線から浮かぶ太陽、雨に打たれながら足早に歩く人々、青画紙にたゆたうカモメ、千マイル彼方からの潮風、階廊に戯れる子ども達の笑顔、聖教会のエーテル、街路で奏でられるサックス、黄金の海平線に沈む太陽、談笑しながら麦酒を待つ人々、見上げた冬の星座の群れ。
多くの出会いや再会があり、多くの体験をした事で人として成長出来たのではないかと思います。失敗もありました。それもまた経験の一つとして捉えて前を向いていこうと思います。英国・ブライトン。叶わぬ想いの眠る地。
『条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持っていないやつは永遠に何も持てないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。そうだろ?強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。』
『風の歌を聴け』 村上春樹
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